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社会福祉法人においては、事業計画をもとに資金収支予算を作成し、予算に基づいた事業活動を行っていくことが求められています。

予算管理者(多くの場合、施設長)は、理事会から事業計画の実施権限(=予算の実施権限)が委譲されたものといえます。

事業活動を行っていく上で、予算の超過や執行額との大幅な乖離が生じた場合などは補正予算などの対応が必要となるため、毎月の予実管理が必要です。

この記事では、主に社会福祉法人会計基準の適用を受ける保育園・こども園さまを中心とした説明となっていますが、基本的な考え方としては保育園・こども園様以外や社会福祉法人会計制度以外の適用を受ける施設の場合でも同様かと思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

更新 2023/07/14
初回投稿 2022.09.20

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1.予実管理とは

社会福祉法人における予実管理とは、事業計画に基づいた適切な予算を作成した上で、事業活動に伴い発生した収入、支出の実績を記録し、予算と対比して正しく事業活動が行われているかを管理することと言えます。また、予算は拠点区分またはサービス区分単位で作成しますので、予実管理も同様の単位で行います。

以下、具体的な予算の作成、実績の管理方法について説明していきます。

予算の作成

社会福祉法人会計における予算は以下の区分ごとに収入、支出予算を作成します。

  • 事業活動による収支
  • 施設整備による収支
  • その他の活動による収支

保育施設の場合、事業計画に基づいた予算作成を行う上で金額的に重要性の高い収入、支出については以下の内容があげられます。

  • 受け入れ予定の園児から計算した給付費収入、補助金収入
  • 受け入れ予定の園児を適切に保育するために必要な人件費支出、事業費支出、事務費支出
  • 施設整備や固定資産取得など設備投資に関する支出
  • 設備投資に対する補助金収入、借入金収入、積立資産取崩収入
  • 中長期的な施設整備等を見据えた積立資産積立支出

事業計画に基づいていない、または計算根拠がはっきりしない予算の場合、早い段階で予算に対する実績の額に大きな差が出てくるかと思いますので、適切に予算を作成することが肝心です。

▶保育園・こども園向けの当初予算・事業計画書の作成方法はこちら

実績の管理

実績の管理は会計システムを利用して行います。

日々の伝票入力後、毎月月次報告を行いますが、月次報告の際に作成する資金収支計算書の試算表や資金収支予算管理表などを使用して行うのが一般的です。予算額と比較し、予算通りに事業が行われているか金額面のチェックを行います。

予算通りに推移してない場合、原因の把握と対策を行うのが基本となりますが、社会福祉法人においては園児数の増加などすぐに対策を行うのが難しい場合もあります。

予算の超過や大幅な乖離が生じた場合などは補正予算などの対応を行いましょう。

▶保育園・こども園向けの月次処理チェック方法はこちら

▶保育園・こども園向けの補正予算の作成方法はこちら

2.システムを活用した予実管理

月次予算を作成しない場合

月次予算を作成しない場合は、試算表の資金収支計算書で予算執行状況を確認しましょう。中区分単位および部ごとの収入計、支出計の予算執行比率を確認します。

比率は6月であれば第1四半期の区切りになりますので、25%くらいであれば適当な執行率ということになります。ただし、賞与など支払が毎月ではない科目については単純に比率での判断ではなく、支払月などに合わせた確認が必要となります。このため、単純な四半期の区切りなどでは予算通りに推移しているかどうかが把握しづらいこともあります。

また、予算超過がある、または予算超過が見込まれる場合は、予算の中区分間での流用、予備費の使用、補正予算などを検討する必要があります。

試算表での予算執行状況確認
試算表での予算執行状況確認

月次予算を作成する場合

月次予算を作成する場合は、月ごとの予算の入力と実績の比較ができるもので予算執行状況を確認しましょう。

SERVE 財務会計の場合は、資金収支試算の画面を利用して確認ができます。
月次予算の作成と実績の比較については以下のような流れで行います。

  • 各月の予算を入力
  • 各月の予算と実績を比較
  • 比較結果に大幅な差額があれば、総勘定元帳などで原因を把握

各月の予算を入力

前年度分の実績などを参考にして各月の予算を入力します。

事業費や事務費は前年度分を複写した上で、事業計画に沿って調整を加える方法がよいでしょう。人件費など前年度の実績額が参考にしづらい科目は別途計算を行った上で入力します。 

資金収支試算 - 月次予算作成
資金収支試算 - 月次予算作成

積算メモ

科目ごとに積算メモを使用できるため、予算額計算がスムーズに行えます。

前年度の試算を取り込み、今年度の積算メモとして流用することも可能です。

資金収支試算 - 積算メモ
資金収支試算 - 積算メモ

各月の予算と実績を比較

入力した各月の予算額と仕訳伝票を入力して集計された実績額との比較を行います。

資金収支試算 - 予算と実績の比較
資金収支試算 - 予算と実績の比較

比較結果の原因把握

比較結果に大幅な差額があれば、総勘定元帳などで原因を把握します。積算メモを入力しておくと予算の内訳も確認できるため、原因把握に役立てることができます。

資金収支試算 - 差額原因確認
資金収支試算 - 差額原因確認

以上、社会福祉法人の予実管理についてご説明してきました。

SERVE財務会計は、予算作成や予実管理の効率化ができるシステムとなっています。また、豊富な知識を持つサポートスタッフによるリモートサポート、伝票入力や決算までアウトソーシングできるおまかせデータ入力などのサービスも充実しています。
ご興味ございましたらぜひお問い合わせください。

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