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令和5年度の変更点

「2.ICT補助金の概要」を令和5年度の内容へと変更しました。また、横浜市にて令和5年度のICT補助金概要が発表されましたので、「3.ICT補助金の具体例〈横浜市〉」を更新しました。


保育園を運営されている方であれば必ず聞いたことがある「ICT補助金」。ICT補助金って何?といった素朴な疑問にはじまり、具体的な補助金額、対象となるシステムについて解説します。昨年度と比べて制度上の大きな変更はありませんが、令和4年度第二次補正予算にて見直された箇所についてはわかりやすく表示しています。 

令和4年度第二次補正予算版 2022.12.22
令和4年度版 2022.7.14
初回投稿 2021.9.28

1.ICT補助金とは

ICTとは?

「IT」 'Information Technology' の2文字の間に 'Communication' の「C」が入った言葉で、人・情報・知恵、知識のコミュニケーションが強調された言葉として使われています。
「保育園等におけるICT化推進事業」などといった言葉がよく出てきますが、簡単に言えば保育に関連する事務的な作業、集計・管理等の「システム化」というニュアンスで捉えていただければ問題ありません。

ICT補助金とは?

保育現場での煩雑な業務をシステム化し負担軽減を促進するための補助金制度で、国と地方行政機関が費用の一部を負担してくれるものです。厚生労働省が管轄ですが、実際には都道府県・市町村ごとに実施の有無や時期、内容等はさまざまです。

2.ICT補助金の概要 〈令和5年度〉

以下は厚生労働省から発表されている「保育所等におけるICT化推進等事業」についてのまとめですが、具体的にどの施設を対象にどういった補助金を交付するかは、実施主体である ’都道府県または市区町村等’ の判断に委ねられています。そのためここに記載されていることが全国の保育園で適用されるということではありません。実施しない地域もあります。

令和4年度第2次補正予算では事業の見直しが行われ、大きな変更点としてICT補助金対象の3機能(計画記録・登降園・保護者連絡)のうち必要な機能のみの選択でも補助対象となりました。また、登園管理システムの普及促進のため、令和5年度末までの時限的措置として補助率のかさ上げが行われます。変更点については※印にて記載を行っています。

具体例は、次の項目「3. ICT補助金の具体例〈横浜市〉」にて解説します。

実施主体

都道府県又は市区町村等

対象内容

(1)保育士の業務負担軽減を図るため、保育の周辺業務や補助業務(保育に関する計画・記録や保護者との連絡、子どもの登降園管理等の業務)に係るICT等を活用した業務システムの導入費用及び外国人の子どもの保護者とのやりとりに係る通訳や翻訳のための機器の購入にかかる費用の一部を補助する。

(2)認可外保育施設において、保育記録の入力支援など、保育従事者の業務負担軽減につながる機器の導入に係る費用の一部を補助し、事故防止につなげる。  

(3)病児保育事業等において、空き状況の見える化や予約・キャンセル等のICT化を行うために必要なシステムの導入費用の一部を補助する。  

(4)都道府県等が実施する研修を在宅等で受講できるよう、オンラインで行うために必要なシステム基盤の整備に係る費用や教材作成経費等の一部を補助する。

(5)保育士試験の申請手続や保育士資格の登録申請の届出等について、自治体の保有する各種情報との連携を可能とするために必要なシステム改修費等の一部を補助する。

(6)児童館において、入退館や子どもの記録管理、研修のオンライン化などの職員の業務負担軽減につながる機器の導入や、利用者同士の交流、相談支援のオンライン化などの支援の質の向上につながる機器の導入など児童館のICT化を行うために必要なシステム基盤の整備に係る費用の一部を補助する。※追加

補足説明:(4)、(5)は保育施設ではなく都道府県または市区町村等が行うものに対する補助金

対象施設

  • 保育所 ・・・(1)の対象として該当
  • 認可外保育施設 ・・・(2) の対象として該当
  • 病児保育事業・・・(3) の対象として該当
  • 児童館・・・(6) の対象として該当 ※追加

補助基準額

(1)業務のICT化等を行うためのシステム導入 条件緩和
    ※導入する機能の数・端末購入等の有無に関わらず1施設1回限り
    1機能の場合・・・1施設当たり 20万円(端末購入等と併せた場合: 70万円)
    2機能の場合・・・1施設当たり 40万円(端末購入等と併せた場合: 90万円)
    3機能の場合・・・1施設当たり 60万円(端末購入等と併せた場合:100万円)
   翻訳機等の購入・・・ 15万円/1施設

(2)認可外保育施設における機器の導入・・・20万円/1施設

(3)病児保育事業等の業務(予約・キャンセル等)のICT化を行うためのシステム導入
      ① 800万円/1自治体
      ②100万円/1施設

(4)研修のオンライン化事業・・・400万/1自治体

(5)保育士資格取得に係るシステム改修
   総額9964万円のうち令和3年度の各都道府県の受験者数の割合に応じて設定

(6)児童館のICT化を行うためのシステム導入
・・・50万/1施設 ※追加

補助割合

(1)国1/2、市区町村1/4、事業者1/4
(2)国1/2、都道府県・市区町村1/4、事業者1/4
(3)①国1/2、市区町村1/2
   ②国1/2、市区町村1/4、事業者1/4
※(1)~(3)について、地方自治体が運営する施設(*)を対象にする場合は、
  国1/2、自治体1/2 *(1)~(2)は財政力指数が1.0未満の地方自治体が対象
(4)国1/2、都道府県・市区町村1/2
(5)国1/2、都道府県1/2
(6)国1/2、都道府県1/2 ※追加

●登園管理システム導入の場合
普及促進のため令和5年度末までの時限的措置として補助率をかさ上げ ※追加
 → 国3/5、市区町村1/5、事業者1/5

地方自治体が運営する施設については、財政力指数に関わらず全ての地方自治体(特別区を含む)が運営する施設を対象
 → 国3/5、自治体2/5

認可外保育施設・・・20万円(併せて端末購入等を行う場合:70万円)/1施設
 → 国3/5、市区町村1/5、事業者1/5

補足説明:登園管理システム(園児の登園及び降園の管理に関する機能)を有するシステムについてのみ期間限定で補助率がかさ上げされているため、助成額を計算する場合は、登園管理システムとそれ以外のシステムでは異なる補助率で計算し合算する必要があります。計算式は横浜市のケースをご参照ください。

引用元サイト・資料

こども家庭庁 保育対策関係予算の概要
【PDF】令和4年度(二次補正予算)保育関係予算の概要 P6
【PDF】令和5年度保育関係予算案の概要 P9

3.ICT補助金の具体例〈横浜市〉

神奈川県横浜市では保育所を対象とした(1)に該当する助成金を実施していますので、解説を交えてご紹介していきます。
所在地域での補助金詳細については、各自治体へお問合せください。Webサイトで案内しているところも多くあります。

ICT補助金 横浜市のケース

対象施設

  • 私立認可保育所
  • 幼保連携型認定こども園
  • 地域型保育事業所(ただし居宅訪問型保育事業所を除く)

対象内容

1:保育業務支援システム導入事業

保育所等が保育士の業務負担を軽減するため、以下のア~ウまでに掲げる3つの機能のうち、1つ以上の機能を有する保育業務支援システムの導入に要する初期費用の一部を助成します。
(システムの導入に必要な端末の購入費用やインターネット環境の整備等を含む。)
※平成28年度・令和3年度・令和4年度に当該助成金を活用して、保育業務支援システムを導入した施設は対象外となります。

 保育に関する計画・記録に関する機能

 園児の登園及び降園の管理に関する機能

 保護者との連絡に関する機能

2:多言語翻訳機入事業

外国人の子ども及びその保護者とのやりとりに係る通訳や翻訳のための機器を新たに購入等するための初期費用の一部を助成します。
※令和3年度及び令和4年度に当該助成金を活用して、多言語翻訳機を購入した施設は対象外となります。

助成対象額及び助成額

1:保育業務支援システム導入事業

  • 園児の登園及び降園の管理に関する機能(イ)を導入する場合の助成上限額
助成率
助成額
(端末導入:有)
助成額
(端末導入:無)
1つの機能を有する
システムを導入する場合
のみ
イ:4/5 最大56万円
基準額70万円 × 4/5
最大16万円
基準額20万円 × 4/5
2つの機能を有する
システムを導入する場合
と、または
イ:4/5
ア、ウ:3/4
最大71万円
基準額70万円 × 4/5
+

基準額20万円 × 3/4
最大31万円
基準額20万円 × 4/5

基準額20万円 × 3/4
3つの機能を有する
システムを導入する場合
イ:4/5
ア、ウ:3/4
最大78万5,000円
基準額70万円 × 4/5
+

基準額30万円 × 3/4
最大46万円
基準額20万円 × 4/5

基準額40万円 × 3/4
  • 園児の登園及び降園の管理に関する機能以外(アまたはウ)を導入する場合の助成上限額
助成率 助成額
(端末導入:有)
助成額
(端末導入:無)
1つの機能を有する
システムを導入する場合
または
ア、ウ:3/4 最大52万5,000円
基準額70万円 × 3/4
最大15万円
基準額20万円 × 3/4
2つの機能を有する
システムを導入する場合
ア、ウ:3/4 最大67万5,000円
基準額90万円 × 3/4
最大30万円
基準額40万円 × 3/4

2:翻訳機等導入事業

助成対象額 助成率 助成額
上限15万円 3/4 最大11万2,000円

引用元サイト・資料

横浜市 横浜市保育所等における業務効率化推進事業

4.ICT補助金の対象となる具体的なシステム

ICT補助金の対象システムとしておおむねこの3種が挙げられます。令和4年度第2次補正予算成立に伴う見直しにより、3機能のうち必要な機能のみを選択して導入する場合も補助対象となりました。具体的にどういった機能を有するシステムをさすのか簡単に解説しておきます。

ア 保育に関する計画・記録
  に関する機能

以下のような情報を登録・管理でき、データを連携させて入力補助を行ったりでき、帳票として印刷したりできることで、保育業務の負担が軽減できるシステム。

  • 園児情報
  • 指導計画
  • 保育日誌
  • 出席簿
  • 成長経過記録
  • 身体測定 ほか

●サーヴのシステムでは園-SiEN〈園児管理〉が該当

イ 園児の登園及び
  降園の管理に関する機能

登降園時間を記録しシステムで管理し、そのデータを集計し適切に表示したり、延長保育料の計算が自動で行えたりすることで事務処理の手間を減らすことができるシステム。

  • 登降園時間の打刻データ管理
  • 出席状況確認
  • データ集計
  • 延長保育料計算
  • 明細印刷 ほか

●サーヴのシステムでは園-SiEN〈登降園管理〉が該当

ウ 保護者との
  連絡に関する機能

災害時、緊急時に保護者との連絡を行ったり、日常の連絡を効率的に行うことで業務負担を軽減できるシステム。

  • メール一括送信
  • 既読確認
  • 欠席・遅刻・お迎え変更連絡
  • 日々の連絡 ほか

●サーヴのシステムでは園-Renrakuが該当

5.ICT補助金をもっと詳しく

以下は自治体により詳細はさまざまですが、参考になりそうなものを取り上げてみました。詳しくは各自治体までお問合せください。

対象となる期間

補助金は年度で区切られていますので、対象となるシステムの契約、導入、運用は令和4年4月1日から令和5年3月31日までの地域もあれば、横浜市のように令和5年12月31日までの導入・支払い完了を対象とする地域もあります。

具体的な補助対象経費は?

システムの利用料、購入費以外に、システムを利用するために整備するインターネット環境整備費や工事費、必要な端末、備品購入などは対象となるが、事務手数料や通信費などは対象外というケースが多いです。

追加機能は対象?

横浜市の場合ですと、補助金対象となる必要な機能のうち、すでに1つの機能を導入していたとしても残り2つの必要な機能の追加は助成対象としています。たとえば、すでに「園児の登園及び降園の管理に関する機能(イ)」を導入している場合、「保育に関する計画・記録に関する機能(ア)」または「保護者との連絡に関する機能(ウ)」の追加であれば助成対象となります。

6.サーヴのICT補助金対象システム

ICT補助金の対応実績のあるシステムを取り揃えていますので、ご興味ございましたらぜひご検討ください。

園-SiEN〈園児管理〉

園児基本情報、成長経過記録

園にあわせたカスタマイズ

台帳、計画、日誌のデータ連携

園-SiEN〈登降園管理〉

電気錠解錠 + 打刻が連動

顔認証 + 検温 + 打刻もOK

延長保育料計算や請求管理も

園-Renraku

保護者利用数の制限なし

保護者の登録完結で短期納入

既読確認、ファイル添付

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